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生理が早い ! 予定日より早く来るのはなぜ?原因と対策は?

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更新日

 
執筆:松本 たお(正看護師、新生児蘇生法NCPR専門コース終了認定者)
 
 
生理周期についてしっかり把握していなくても、「大体1カ月後」といった目安で予定をたてている女性は多いと思います。
 
1週間も生理が早いときには、少し心配になってしまいますよね。
 
予定よりも早い生理には、いくつか理由があり、中には婦人科を受診した方が良いケースもあります。
 
「 生理が早い 」ということがなぜ起こるのか、原因について知っておきましょう。
 

そもそも生理周期とは

生理周期とは、「生理開始日から次の生理開始日の前日までの期間」のことです。生理周期は、女性ホルモンの働きにより、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの段階があります。ここで言うホルモンとは、特定の組織、臓器の機能調整の為に分泌される物質を意味し、卵巣など女性生殖器から分泌されるホルモンの事を女性ホルモンといいます。女性ホルモンの主要なものとして、エストロゲンとプロゲステロンがあります。
 
以下、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの段階について、簡単に説明します。
1. 月経期
月経期は2~7日位です。妊娠が成立しない場合は、子宮内膜が剥がれ落ち血液とともに対外へ排出されます。
 
2. 卵胞期
卵胞期の期間は6~7日程度です。脳の視床下部から分泌される卵胞刺激ホルモンにより、卵胞が成長・成熟し、エストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌され、子宮内膜が厚くなり着床が出来るよう準備をします。
 
3.排卵期
排卵期は、排卵前後の5日間程度です。排卵とは、卵巣から卵子が排出される事を意味します。エストロゲンの分泌量が最も活発になると、黄体ホルモン分泌を促す黄体化ホルモンが脳の視床下部から分泌され、排卵が始まります。
 
4.黄体期
黄体期は、約14日間です。排卵後、卵胞は、一時的に生成される内分泌構造である黄体へと変化します。黄体は、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、子宮内膜を柔らかくし、着床可能な状態に整えます。
 
 

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正しい生理周期を知ろう!

 
まずは、自分の生理周期を正しく知ることが大切です。通常25~38日の周期でやってくるものを、正常な月経周期としています。それよりも早い場合や、遅い場合は、生理不順となります。
 
生理周期は、前回の生理が開始した日~次の生理が開始した日の前日の期間です。毎回少しの変動があるので、何カ月かの周期を平均したものが、自分の平均生理周期と考えます。
 
生理周期を正しく知るには、自分の基礎体温を測定することが大切です。基礎体温とは、最も安静時の体温のことで、早朝目が覚めて、まだ体を動かす前の状態で測定します。基礎体温は、心身が健康な状態であれば、大凡0.3~0.5度の間で周期的に変化します。具体的には、排卵前に低温期、排卵後に高温期と、排卵を境に2つの段階が現れます。この基礎体温をグラフにすると、自分の正確な生理周期を知り、生理が早い、遅いを正しく認識する事ができますし、心身の健康状態をチェックする事も出来ます。
 
あなたの生理周期は正常でしょうか?
 
 

生理が早い原因

 
生理が、自分の生理周期よりも一週間も早い場合、考えられる原因は、「無排卵月経」と「ホルモンの乱れ」があります。
 
 

無排卵月経

無排卵月経の症状は、生理周期が安定せず、月に2度来る、少ない量の生理がだらだらと続く、生理痛がないなどがあります。無排卵月経は、脳がストレスを過剰に受けて、排卵の指令を卵巣に送る仕事が出来なくなった状態で起こります。無理なダイエットや過食、拒食、過度な喫煙、不規則な生活習慣、身体の冷え、強いストレスなどが影響しています。
 
不規則な周期で生理が来ても、それが何カ月も続かずに自然な周期に戻っていくのなら、あまり心配はないでしょう。特に10代の間は、まだ生理が安定しておらず、無排卵月経が何度か起こるケースも珍しくありません。成長と共に段々安定してくることが多いです。しかし20代に入っても生理が早くこのような内容の生理が続く場合は、治療の対象となることもあるので、婦人科を受診しましょう。
 
排卵していないということは、妊娠が出来ない状態です。まだ妊娠を希望していない場合は、漢方の服用や生活指導を受けて体質を改善していくか、ピルの服用で生理周期を安定させる治療になります。妊娠を希望している場合は、排卵誘発剤が処方され、人工的に排卵を起こして妊娠に挑戦するという治療になります。
 
 

ホルモンの乱れ

生理周期は、前述したように、エストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモンによりコントロールされています。この女性ホルモンバランスが乱れると生理周期が変わります。女性ホルモンのバランスの乱れの主な原因の一つに、ストレスがあります。引っ越しや転勤、転校などの環境の変化や、食生活の乱れ、睡眠不足などで疲れが溜まっていると、ホルモンに影響しやすく、生理が早い、遅い等が生じるのです。
 
日常生活のストレスは、簡単に改善出来ないものもあるかもしれませんが、少しずつでも意識してストレス解消に努めてください。自分ならではのリラックス方法やストレス発散方法を見つけ実施する、仕事で疲れていても休みの日には軽い運動を取り入れたりすることもおすすめです。
 

その他の可能性

<食べ物の影響>
また、女性ホルモンに影響を与える食べ物を摂ることによって、生理が早まる可能性もあります。
適量を日常的に摂ることは必要ですが、単品に偏った食生活はホルモンバランスの乱れの原因になりますので、バランス良く食べるようにしましょう。以下注意すべき食品について説明します。
 
○動物性たんぱく質
「生理が終わってからすぐ焼肉を食べると次の生理が早くくる」
「生理が早くなるのは太った証拠」
という話を聞いたことがありますか?
 
これがあてはまる方は、動物性たんぱく質のとりすぎのために、生理が早くなっている可能性が考えられます。動物性たんぱく質は食べ過ぎるとホルモンバランスを乱し、生理が早くなる原因になるからです。
 
また、動物性たんぱく質を過剰に摂取すると便秘になりやすく、便秘になると生理周期が乱れたり、生理が重くなったりします。
動物性たんぱく質を摂取する場合は、食物繊維を含む食品と一緒に、適量を摂取するようにしましょう。食物繊維は、栄養吸収後、腸内に残ったカスを便として排出するという働きをします。
 
○レモン、ブロッコリー、パプリカなど
これらの野菜に含まれているビタミンCは、女性ホルモンの1つ、エストロゲンの生成を促す働きがあり、エストロゲンが増加すると卵胞の成長を促して排卵時期が早まる可能性が考えられます。
 
○豆乳などの大豆製品
豆腐や豆乳、納豆などの大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、体内でエストロゲンに似た働きをするといわれています。エストロゲンによって卵胞の成長が促されるので、ビタミンC同様に排卵を促す可能性があります。
 
○セロリ、パセリなど
セロリやパセリに含まれるアピオールという成分は、わずかではありますが子宮を収縮させる作用があります。生理中は子宮内膜を排出するために子宮収縮をするので、アピオールをたくさん摂取していると生理が早まる可能性があります。
 
<フェロモンの影響>
女性の友達が生理になると同時に、周期的にはまだ早いのに生理がはじまることがあります。この「生理がうつる」という現象は古くから知られており、女子寮など、女性と共同生活をするような環境で起こりやすくなります。
 
これはドミトリー効果(寄宿舎効果)、またはマクリントック効果と呼ばれ、女性の腋の下から出る性周期同調フェロモンが原因とされています。
 
このフェロモンは、生理の始まりと終わり頃にそれぞれ分泌され、生理の始めに分泌されるフェロモンは周りの女性の生理周期を早めさせようとする作用があり、生理の終わりに分泌されるフェロモンは周りの女性の生理周期を遅れさせようとする作用があるそうです。
 
このようなフェロモンの2つの作用によって徐々に生理周期の間隔が相互に近づいていくことにより、生理が早まっている可能性があります。
 
 

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生理が早い:原因を知るには

 
生理が早い原因を特定するためには、基礎体温をつけましょう。毎日測定した基礎体温に基づいてグラフを作成すると、一目で基礎体温の動きが分かります。もしこのグラフの低温層と高温層が明らかに分かれているなら、排卵はしていますが女性ホルモンの分泌が乱れてバランスを崩していると言えそうです。
 
一方、基礎体温のグラフが一定になっている場合には、無排卵月経の可能性がありますので、続く場合には婦人科を受診しましょう。その際、基礎体温表を必ず持参するようにしてください。最近では、毎日の基礎体温を記録出来るアプリも様々なものが出ています。
 
 

生理が早い :どんな症状だった?

生理が早いときに、どんな症状だったかを把握することにより、生理が早い原因を知ることが出来る場合もあります。
 

出血の量が少ない

着床出血の可能性があります。受精卵が子宮内膜に着床する妊娠の際に、子宮内膜が傷つくことや、ホルモンの乱れによって、僅かに出血する場合があり、これを着床出血と言います。
この場合、妊娠が考えられるため生理予定日の一週間後に妊娠検査薬を使って検査してみましょう。
 
着床出血は必ずあるわけではなく、またあったとしても少量の出血とは限らず、稀ではありますが普通の生理の量程の出血があるケースもあります。
 
 

出血の量が多い

出血の量が多い場合、ホルモンバランスの乱れが原因として考えられます。生活スタイルの見直しや、ストレスが多くかかっていないか、自分を労わってあげてください。
高温期が短くて生理が早く来た場合、子宮内膜が充分な厚みをもたず、着床しにくい状態にある可能性もあり、その場合、妊娠をする事が難しくなる場合もあります。一度ならあまり心配いりませんが、続くようなら婦人科を受診してみましょう。
 
出血の量が多い原因が、生理ではなく、婦人科系の疾患による不正出血の可能性もあります。不正出血とは、生理以外の理由による性器からの出血を意味します。基礎体温をつけていない場合、本人では不正出血かどうかの見極めは難しいので、不正出血の可能性がある場合、不安な時は、すぐに婦人科を受診しましょう。。
 
 

出血が鮮血

出血が、鮮血の場合も、何らかの不正出血が疑われます。特に出血量が多い場合は、早めに婦人科を受診してください。
少量の出血ならば、着床出血の可能性もありますが、着床出血の場合、鮮血のケースは少ないです。
更年期の時期に、ホルモンバランスの乱れにより、鮮血の不正出血があることもあります。
 
 

出血が茶色い

茶色い出血は、着床出血や排卵時の出血が考えられますが、茶色いおりもののような出血は珍しいことではないので、翌月からの生理が安定していれば特に問題ありません。
 
 

生理が早いと思ったら

 
ここまで説明してきたように、女性の生理周期には、ストレスや生活リズムが大きく関係しています。女性の体は繊細で敏感なため、色々な要因により、生理周期は乱れてしまいがちです。
 
一度の乱れなら、特に心配はいらないでしょう。ストレスがたまっていないか、生活スタイルはどうだったか、見直してみてください。
しかし生理不順が何回も続くようだと、不妊の原因となる心配もありますので注意が必要です。
 
 

生理周期が24日未満

24日未満の生理周期が何回も続くような場合、無排卵月経などの可能性があります。一度婦人科を受診するようにしましょう。
 
 

1カ月に2回生理が来た

1カ月に2回生理が来た場合、不正出血の可能性があります。こんな時は自己判断せず、婦人科を受診するようにしましょう。
 
生理が早い時には、ここまで述べたことをを踏まえて、何回か生理周期を観察するのか、すぐに受診するべきか、判断してください。
女性の体は、些細なことが生理周期に影響します。生理は、1カ月の自分の生活の結果発表なのです。生理周期が安定しないときには、特に自分の体のことを見直してあげてくださいね。
 
 

まとめ

 
ここまで説明した内容についてポイントを以下のように記載しましたのでご参考にして頂ければ幸いです。
 
・生理周期は、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4段階に分かれる。
・生理周期は、通常25~38日の周期。これを基準にして、生理が早い、遅い等生理不順かどうか判断する。
・自分の生理周期を正しく把握する為には、基礎体温の記録を習慣化する必要がある。
・健康時の基礎体温は、0.3~0.5度の範囲で周期的に変化する。
・自分の正常時の生理周期よりも1週間以上早い場合、無排卵月経、ホルモンの乱れが原因として考えられる。
・無排卵月経、ホルモンの乱れ以外の原因としては、食べ物の影響、フェロモンの影響等も考えられる
・生理が早い原因を知るためにも、前述基礎体温の記録は重要。
・生理が早い時の症状を分析する事も、生理が早い原因特定の為に有効な場合もある。
・生理が早い時の症状で着目すべきは、出血の量と色。
・生理が早いと思う事が繰り返される場合は、ストレス、生活リズム等の見直しをすべき。1ヶ月に生理が二回来る等の場合には、速やかに受診を。
 
 
<執筆者プロフィール>
松本 たお(まつもと・たお)
正看護師・新生児蘇生法NCPR専門コース終了認定者
精神科・産婦人科・助産院での臨床経験を持つ正看護師。現在は育児に奮闘中の二児の母。
 
 

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